V6ベースとは思えない見栄え
2007年型マスタングV6コンバーチブルのSHELBY GT500仕様である。よっぽどマスタングに詳しい人でないと分からないくらいの完成度。しかも適度な小技も効いている。たとえばテールレンズをブラック のマスキングで後期型っぽくしたり、リアウイング内のハイマウントストップランプにシェルビーのロゴ が入ったプレート入れたり、ホイールのセンターキャップもコブラにしたり…、なかなか芸が細かい。
ちなみにこの車両のカスタムを持込みで依頼すれば100万円前後はかかるだろう。だがこの車両は、これだけのカスタムが施された状態で208万円。個人的にはかなり安いと思う。
ベースのマスタングは2007年型のV6搭載車。実走で6万マイル弱、つまり10万km弱の走行距離だけど、ボディもエンジンもミッションもまだまだしっかりしている。もちろん年式相応のヤレは多少感じるが、走行に支障のある部分にはほとんど感じない。
2007年型の、いわゆる旧型マスタングはV6で200hpのパワーとなるが、旧型はパフォーマンスでは劣っても、アジが濃いのが特徴である。だから グッと踏み込んだ時のエンジンサウンドはなかなかなモノで、V6といえども侮れない濃密なフィールが面白い。恐らく4リッターという大排気量がもたらす (他国のクルマではあり得ない4リッターでV6エンジンという)独特なフィールによるものもあるのだろう。
SHELBY仕様のフロントバンパー、ボンネットフード、フロントグリル、リアスポイラー(ウイング)、リアディフューザーを装着していることで、V6ならではの質素な雰囲気は微塵も感じさせない。
搭載されているエンジンは、4リッターV6で210hp、トルク33.1kg-mを発生させる。決してパワフルではないから、速さにこだわることはできないが、その分濃密なフィールを提供してくれるエンジンに仕上がっている。
古典的な味わいを演出するインパネ。ステアリングの大きさなど、加減が絶妙なため違和感を感じることはまったくない。逆にその緩やかな雰囲気に浸ることができるからこそ面白いのである。
アイバッハでローダウンされた足回りには、コブラセンターキャップ付の20インチホイールに換装され、引き締まった乗り味を提供してくれる。タイヤサイズはフロント255/35R20、リア275/35ZR20インチ。